空調システムメンテナンスとは
冷却塔におけるレジオネラ属菌増殖による レジオネラ症 の発生を防止するため、定期的な清掃や菌体の検査が義務付けられています。詳しくは厚生労働省のホームページ・新版レジオネラ症防止指針(概要)に示されています。(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000124204.html)
レジオネラ属菌の効果的な除菌・抑制にはシーズン前に化学洗浄することが推奨されています。シーズンイン後は、コントライムMシリーズ等の抑制・防止剤を用いることで、適切な管理が行えます。
①冷却塔の清掃、水の入れ替え
冷却塔の下部水槽、充填剤などの汚れをデッキブラシやジェット洗浄によって落とし、水の入れ替えを行います。頻度は汚れの程度によりますが、毎月1回程度が一般的です。
②冷凍機の清掃
冷凍機は定期点検時に熱交換器の銅チューブをブラシまたはジェット洗浄で汚れを落とします。レジオネラ属菌を除去するためにスライムを除去することが重要ですが、これらの作業のみでは冷却水配管内のスライムは完全には除去されません。
冷却水系の機器や配管の側面にはスライムが付着しています。レジオネラ属菌はスライム中で増殖するので、それらを除去することによりレジオネラ属菌を元から断つことが出来ます。冷却水系の隅々までスライムを除去するために、薬剤(デスライム)を使って化学的洗浄を行います。
洗浄剤の種類と目的 | |||
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洗浄剤(成分) | 主な目的 | 使用濃度 | 特長 |
デスライム (過酸化水素) |
スライム洗浄、殺菌 | 5~10% | 有機物を酸化分解して殺菌。 酸素発泡してスライムを剥離。 |
レジオアタックLA (グルタルアルデヒド) |
殺菌 | 200mg/L | 金属に対する腐食性が低い。 |
①定期管理
冷却塔、冷却水回路配管、通水部の清掃を一年に1回以上、冷却塔の運転開始時、及び冷却塔の運転終了時に定期的に実施します。
②緊急対応
レジオネラ属菌が100CFU/100mL以上検出された場合は、直ちに洗浄します。事後不検出を確認します。
スライムの中で増殖するレジオネラ属菌
ブラシ清掃中
デスライム投入
デスライムで洗浄中